転職者インタビュー|薬剤師・沖縄県

【沖縄】地域に根差した薬局で患者と歩む。多文化の中で挑戦を続ける薬剤師

那覇市内のかかりつけ薬局で勤務する、Uターン薬剤師・山城 美咲(仮名)さんにお話を伺いました。

かかりつけ薬局在宅訪問地域医療服薬アドヒアランス
薬局で患者に説明する薬剤師のイメージ

Q:転職のきっかけを教えてください

大学卒業後は本土の病院で勤務していましたが、結婚と出産を機にUターンし、地元沖縄で働くことを決めました。病院では急性期の患者さんと関わることが多く、治療に直接貢献できるやりがいも大きかったのですが、退院後の生活や地域でのサポートに携われないことに物足りなさを感じていました。そこでかかりつけ薬局に転職し、外来から在宅まで長期的に患者さんを支える立場になろうと考えたのです。沖縄は医師不足や高齢化が進んでいる地域も多く、薬剤師が地域医療の最前線を担う必要性を強く感じました。

Q:現在の業務内容について教えてください

外来調剤では生活習慣病(糖尿病・高血圧・脂質異常症)を中心に、幅広い処方に対応しています。特に多剤併用の患者さんが多いため、重複投薬や相互作用チェックには細心の注意を払っています。在宅訪問も週に数回行っており、一人暮らしの高齢者や施設入所者に対して残薬整理、一包化調剤、服薬カレンダーの導入などを実施しています。また、那覇は観光客や外国人居住者も多いため、英語や中国語での簡単な服薬説明が求められる場面もあり、沖縄ならではの特色を実感しています。

Q:印象に残っている患者さんとのエピソードは?

糖尿病を抱える70代の患者さんが、飲み忘れや自己判断による服薬中止で血糖コントロールが乱れていました。そこで在宅訪問を継続し、ご本人と一緒に服薬カレンダーを活用して管理する方法を提案しました。さらに週1回薬局で血糖測定を行い、生活習慣についても少しずつ改善をサポートしました。数か月後にはHbA1cの値が改善し、『薬を正しく飲むことで体調が安定した』と笑顔を見せてくださったことが印象に残っています。薬剤師が生活に寄り添いながら患者を支える存在であることを実感した瞬間でした。

Q:職場環境や働きやすさについてはいかがですか?

薬局内では電子薬歴を活用しており、外来・在宅どちらの場面でも情報を即座に共有できます。特に訪問先からクラウド経由で薬歴を確認できる仕組みは便利で、急な副作用報告や体調変化にも迅速に対応できます。調剤業務ではダブルチェックを徹底し、調剤過誤防止の体制が確立されています。また、同僚も子育て世代が多いため、シフトの調整に理解があり、急な休みにも協力し合える環境です。安心して長く働ける職場だと感じています。

Q:沖縄ならではの課題や工夫はありますか?

沖縄は台風など自然災害が多く、物流が止まって薬が届かないことがあります。その際は在庫状況を見ながら、医師と連携して代替薬を検討したり、患者さんに服薬方法を工夫してもらうよう説明したりする必要があります。また、離島地域では病院まで距離があるため、薬局が地域の健康拠点として大きな役割を担っています。観光客が体調を崩して来局するケースもあり、旅行者医療の一部を担う場面もあります。こうした多様なニーズに対応できる柔軟性が求められるのが沖縄の薬局の特徴だと思います。

Q:今後のキャリアについて考えていることは?

今後は地域包括ケアの一員として、薬剤師ができる役割をさらに広げていきたいと考えています。特に高齢患者さんのポリファーマシー対策や残薬調整に積極的に取り組みたいです。また、後輩薬剤師や実習生の指導を通じて、『地域薬局で働くやりがい』を伝えていきたいと思っています。薬局薬剤師は決して単なる調剤だけの仕事ではなく、地域医療を支える重要な存在であることを次世代に示したいです。

職場の魅力まとめ

  • 地域密着のかかりつけ薬局で働ける
  • 在宅訪問で患者と家族をサポート
  • 電子薬歴とダブルチェックで安全性を確保
  • 観光客や多文化対応など沖縄ならではの経験が積める

高齢化や多文化対応、災害時の医薬品確保まで。沖縄のかかりつけ薬局で、地域医療を支える薬剤師として新しい挑戦を続けています。

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